VRAA Virtual Reality Architecture Award 01

Event (Award, Contest) 2019.05-08

Planning, Branding, Graphic Design, Unity Development

「人類の生きる空間をみんなで考えるVR空間デザインコンテスト」
――VRAA公式サイト

https://xrarchi.org/vraa1/

いまVR空間で生まれつつある、人類未踏の新たな価値を社会にもっと伝えたいという思いから、賛同した有志メンバーと共に企画・実施した。 VRChatをはじめとした、UGC/CGMプラットフォームの領域で活躍する市井のクリエーターの方々とその作品に適切な評価の機会を提供し、社会的認知と地位向上を目指す目的を備えた参加型のコンテストイベントである。

また同時に、「いま起きている面白いこと」をただただシンプルに皆で持ち寄りひとところに集めて、皆でそれを分かち合い刺激を与え合う共創的な場となることを目指す枠組みでもある。

以前に実施した、試行回としての「第0回VR建築コンテスト」とは向かう先を新たにし、建築という言葉を用いることなく広義の「Architecture」を募ることで、よりVRの本質にアプローチする挑戦を推奨した。同時に建築というコンテクストから脱することにより、間口を拡げカジュアルに参加していただける枠組みとした。
本企画におけるArchitectureとはあらゆる事象にまたがる構造や特定の理を指しているわけではあるが、今後参加者の皆さん並びに運営者も含め、それぞれ多様な解釈を自由に行っていって頂けることを期待するものである。

Poster

第1回テーマは「バーチャルコミュニケーション」という普遍的なテーマを採用し、ありがたいことにバラエティ溢れる沢山の応募をいただいた。当コンテストに向けた完全新規の作品を制作して応募してくれた方や、日常使っているワールドをコンテストのために供していただくなど、まだVRの価値を知らない人々へのアピールとしてはまたとない環境を構築することができた。クリエーターの方々の協力には感謝してもしきれない。

チームの運営と制作はDiscordベースの完全リモート環境で行い、実施に至るまで物理空間でのミーティングを一切行うことなく、必要に応じてVR空間を介してコミュニケーションを行い、制作を進行した。

締めくくりとして、授賞式も兼ねたVRAA MeetUpという基底現実(物理空間)側のイベント企画も開催した。当イベントでは「物理空間であっても、Virtual空間であっても、それぞれが固有の価値を持つ現実である」という前提に立ち、Virtual空間と物理の現実が接続した状態を作り出し、どちらからでも参加することが可能となる仕組みを採った。このイベントの詳細についてはこの場で語るにはヴォリュームがありすぎるため、詳しくは別の機会としたい。

当企画におけるグラフィック制作だが、専用の書体を作成しルックの統一を行い、またポスター等各種の印刷物の作成やステッカー制作など多岐に渡り実施した。

また、「VR空間におけるロゴやシンボル」について、グラフィックデザイン領域自体の拡張も試みた。VR空間が「別の現実」として社会に当たり前に存在するようになった時点を想定し、「印刷=2D平面へのインクの塗布」という物理的な手法の制約からの開放が実現された未来に存在しているであろうロゴタイプという想定の下、スタディを重ね当コンテストのシンボルとした。三次元的な意味表現、シンボルとしての空間的存在感、動的な変化によるメッセージの伝達といった要素を含めることを目指して作成を行った。

作成されたVirtualロゴタイプは、参加者の皆さまに配布する参加を掲示するシンボルかつポータルワールドへの帰還用の仕組み(ギミック)を備えた装置として頒布を行い活用していただいた。


今回、非常に重たいトライが連続し、見た目に関しては地味ではあるが、制作内容としては多くの未踏のクリエイティブ領域へ踏み出すことになったこともあり、成果物の完成度としては満足のいくものとは決して言えず心苦しく思っているが、いくつかは実施を実現したこと自体がある種の引用・参照先として機能し、今後の新しいトライへの障壁を下げるきっかけになってくれることを期待するものである。

また、作品情報とともにすべての作品(ワールド, 世界)へのアクセスを可能とする「ポータルワールド」の着想や、その他実装に際し様々なアイディア・力添えをしていただいたVRChatのユーザコミュニティの皆様方、応援キャラクターを供していただいたまいてぃ999先生、忙しい中すきま配信していただいたおきゅたんbotさん、謎のイベントにも関わらず快諾していただいた審査員の皆様方、スポンサーの各社さま、挙げればきりがありませんが、それぞれに対して、最大の感謝の気持ちを捧げます。

Portal World

Portal World

Portal World

VRAA応援キャラクター「ほろんちゃん」

関連情報

参加していただいた作者さんの作品パネルや解説、ワールドへの入り口を掲示したVRAA01ポータルワールドはこちら
VRAA01 Portal World [VRChat]
https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_fb8b8fb4-77b2-4fa4-8916-21a3ee6c23e5

おきゅたんbotさんによる作品体験ツアー配信動画

Virtual空間で行われた審査会の様子

Virtual空間で行われた審査会の様子

Virtual世界と物理現実とが接続する”リアル”イベント会場