深川江戸資料館は、昭和61年にオープンした江戸時代における深川の歴史的資料等をまとめた展示館であり、何と言っても見所は深川佐賀町の当時の生活様態を想定復元した「情景再現、生活再現展示」による実寸大のジオラマ展示です。
視覚的にジオラマが展示されている施設であることを明確に示すため、施設の展示内容を抽出/抽象化した要素により組み立てた、親しみやすいロゴとタイポグラフィを新規にデザインしました。
メインのロゴには、施設内展示の象徴的なシンボルとなっている火の見櫓(ひのみやぐら)からアイソメ図様の線のみを抽出し、平面的にも立体的にも見えるデザインとしています。
タイポグラフィに関しては、展示されている建物の立面から見た屋根の角度をモチーフとし、単純化/抽象化した上で、その要素を文字の構成要素として用いることで江戸の施設展示であることを暗に示しつつも、現代的に親しみを以って江戸の情緒を表現しようと試みています。
最後に、ロゴとタイポグラフィとを施設の3層吹き抜けの空間をイメージした箱形状のイラストレーションの枠に収め、両者を一体的なものとして認識しやすくしました。