Beyond a bit

Graphic Design, UI, Promotion Movie

Visual Design for Virtual World

Co-Creator: team: beyond_a_bit
Website: team: beyond_a_bit
Release Date: 2023/03/23
Platform: VRChat
World Link: Beyond a bit – 想像のちょっと先へ –


VRChatワールド「Beyond a bit – 想像のちょっと先へ」のためのグラフィックデザインおよびプロモーションマテリアルの制作。
Virtual空間と平面メディア両対応のロゴデザインに加え、クレジット等のコンテンツ内グラフィック要素を一括して制作、およびプロモーション用のティザー動画の制作も行った。

Awards:
ヴェネツィアビエンナーレ第80回ヴェネツィア国際映画祭「VENICE IMMERSIVE 2023」Worlds Gallery セレクション
第31回 Raindance映画祭 “Best Immersive Art Experience” ノミネート
第80回ヴェネツィア国際映画祭ではヴェネツィアビエンナーレ現地での実機展示も催され、好評を博した。

Exhibit:
Biennale Cinema 2025 | Bissuola Immersive Lab
2025年よりビエンナーレ主催のイタリアBissuola Park内「Bissuola Immersive Lab」(XR体験施設)にて実機展示。

シンボルロゴ──グラフィックの企図

Virtual空間内に設置されるのと同時に、Webや動画等の2Dメディアにおいても展開される、特殊な要件に対応したグラフィックシンボルを設計した。

制作着手時点ですでに作品のムードやディテールがほぼ完成していたこともあり、3次元的な体験として成立している視覚的な各演出要素から、造形/動き/無機的生命の有機性といった作品表現のエッセンスを丁寧に抽出し変換、2Dグラフィックとして再構成したものである。

本編は、既視感のない新規性の高い、けれども突き放さず、わかりやすさのある程よい親密さのある距離感のコンテンツ体験であるため、グラフィックの造形もテーマ、コンセプト、ストーリーからモチーフを引用してゼロから組み立てることで、3次元空間に2Dグラフィックが存在する違和感を可能な限り排除し、同時にユニークさにおいて同調し馴染んで見える視覚的な記号性を内包することを目指している。

「想像のちょっと先へ」がサブタイトルであるように、(良い意味での)期待へのわずかな裏切りを意図して、“どこかで見た感じ”を極力排し、造形言語や視覚言語を既存のグラフィック的感性から引用しないことを前提として制作している。

そのため、構成要素は作品自体から抽出された要素のみに限定され、純度が増し、オリジナルコンテンツであることをより主張する印象を形作っている。これは商業的視点で見るとフックとなる既視感が不足するため多少野暮たさを感じるが、しかしVRChatのようにユーザ同士が近い距離感でクリエーションを行うコミュニティにおいては、突き放すことのない近い距離であることを示し、特有の親近感を与え、純粋性によってクリエーター同士がより共感し合うことのできるメディアとしてグラフィックシンボルが機能する状態を意図している。

加えて、2D平面を空間と見做し、僅かずつの造形的な違和感をコンポジション的に配置していくことで、異なるメディアや3次元空間上に展開されたとしても目が滑ることなく、ほど良い視覚的な引っ掛かりが得られるように造形的工夫を施した。さらに、常時留まることなく動き続ける作品の持つ躍動感に合わせるため、2Dグラフィックとしての堅さを極力排し、止まっているのに動いているかのような造形言語を構成し、生命の持つ独特な身勝手な様や、自律的な存在の印象を組み込んだ。

Virtual空間内ではステージ背後のディスプレイに加えて、印象的な物語の鍵となるオブジェクト(箱)の上部に表示される空間的配置を設定し、「2Dグラフィックが3次元的に提示される違和感」をここではむしろ意図的に利用している。平面的な要素を見せることにより、その後の立体的なコンテンツ体験とのコントラストをより際立たせる狙いである。

提示方法からはどこかテーマパークらしさの既視感がありつつも、空中にグラフィックが自由に提示されるというシンプルなバーチャルでしかできない表現を自然に実現するため、全体の造形を円形に収め、3Dオブジェクトとしてのまとまり感を2Dグラフィック的に構成した。もちろんこれは作品モチーフである星とそこで展開される様々な旅の出来事から引用し、これから起こる体験への期待を醸成しつつイメージの事前のインプットを行い、そして体験が終了した後に見返すと「なるほど」と無意識的に納得感の得られる視覚的機能を提供するシンボルロゴとしている。

Logotype in World Image

Message Visual

Introduction Massage

Instruction UI

End Credits

Key Visual (World Thumbnail)

プロモーションムービー

「Beyond a bit」は、サプライズ感のある展開を持つ、3次元空間を活かしたVirtualらしさのあるコンテンツであるため、事前にはできる限り情報を制限しつつも、どのようなコンテンツであるかを伝達するための抽出されたムードのみを備えたティザームービーを制作した。
行ったことのない人にとっては断片的な事前イメージを提示し、行った人にとっては想い出のように体験とシーンとが心の内に想起される程よい塩梅としている。

メディア掲載:

仲間とともに、まだ見ぬものをつくる――。100万人が体験した傑作ワールド『Beyond a bit』制作秘話【インタビュー】 | バーチャルライフマガジン
https://vr-lifemagazine.com/boothinterview_beyond-a-bit/

【VRChat】サンリオVfesで話題を呼んだパフォーマンス「Beyond a bit」が一般公開! “想像のちょっと先へ”行く、壮大な宇宙の旅へ – MoguLive
https://www.moguravr.com/vrchat-beyond-a-bit/

想像のちょっと先へ サンリオVfesで話題を呼んだ「Beyond a bit」が帰ってきた【#ヤタノの漫遊記出張版】 | メタカル最前線
https://metacul-frontier.com/?p=4942

Credit:

Director, Prop Design, Animation Design
EstyOctober
Technical Artist, Shader Architect
AyanoTFT
Graphic Design
sabakichi
Sound Designer, Unity/Quest Engineering Support
Wata23
Prop Designer, Shader Design
Waka123
Composer, Sound Direction
Yuki Hata

Raindance Nominee Poster

VRChat 2023 NYE World Poster