Generative AIを用いて「この世に存在しないかたちをもつ樹木の写真」のイメージを生成。出力された画像を“写真データ”として扱い、デジタル現像を行って制作した生成写真作品(Generative Photography)。
写真は基礎的には、光学的に存在している光をキャプチャして写し撮る/描画する/固定する行為である。もちろん現代的な表現領域においてはより拡張された解釈もあり得るが、伝統的または一般的な構造としては「あるものを写す」ということに還元される。
初期値である光学像の部分にのみGenerative AIによる生成を代用し、プロセスには一般的なデジタル写真の制作工程に用いられる技術を選択。現在存在する「写真」活動の一般的な様式とフローに準拠して制作を行うことにより、生成AIの周辺に散在する複雑な表現に関する変数を固定・制限。成果物のもつ既存の表現との差異や差分をより純粋に浮かび上がらせる。写真として仕上げられた写真のようにしか見えない写真ではない写真。

Processed Wood (2024)
Artwork
Experimental, Generative Photography